39)「カタカナ言葉だって日本語なんだよっ!!」
= 英語なんか、大キライ! =
スペイン人たちへの日本語クラスで、先ず最初に教えるのは「ひらがな」です。しかし彼らにとっては一大事業。一気に50程の文字をマル暗記しなくてはならないのです。それも文字ばかりか、その発音やら筆順やらを含めしっかり覚えなくてはなりません。
何日もかけてやっと記憶したところで、今度は「カタカナ」を教えようとすると、
「えーっ、そんなの要らないよ。はやく日本語を教えてよ!!」
と、みんながみんな一様に怒り出すのです。無理もありません、彼らは早く日本語を話したいのです。せっかく覚えたひらがなで、何かを書いたりしゃべったりしてみたいのでしょう。
そこで、「でも、カタカナも日本語なんだよ」と言うと、
「だって、カタカナはほとんど英語ばっかりじゃないか!」と反論してきます。
たしかに、その90%は英語の単語です。食卓はテーブル、戸口はドアー、長椅子はソファー、寝台はベッドなのですから・・・。どうして本来の日本語で話さないのか、と思うのも無理からぬところです。
でも私たちにとって、食卓は前世紀の感じ。下手をすると、あのコタツになる真四角の小さなちゃぶ台までイメージされてしまいます。戸口だって、ガタピシと音のする木造のものを思い起こすし、長椅子にはあのふわっとしたソファーの感覚がありません。
「その違いを感じるために、ボクらには両方とも必要です。
色々なバリエーションを楽しむのが、日本の文化なんだよ!」
そう言うと少しわかってくれるのですが、でも本当に彼らが納得できないのは、それがほとんど英語だ、ということです。
そう、どうもスペイン人は、イギリスやアメリカが嫌いなようです。
思えばスペインはイギリスにそうとう痛めつけられました。あのスペインの無敵艦隊は何度もやっつけられたし、発見したアメリカ大陸も、半分以上持っていかれました。
「でもカタカナには、スペイン語やポルトガル語だってあるんだよ!」
とカバーしてみても、「そんなの、パンとタバコぐらいでしょっ!!」と焼け石に水。彼らがどうしても理解できないのは、おなじく戦争に負けた日本が、なぜ敵国だったアメリカやイギリスの言葉を使わなきゃならないのか、ということのようなのです。
??? そうだよなあ、何故なんだろう ???
なんでも神様扱いしてひれ伏しちゃう国民性からなのか、これからは英語の時代だと感じ取った先見性の故か、本当のところはどういうことなんでしょう。
でもね、スペイン人だって、沢山の英語を取り入れているんです。
経済用語だって、コンピュータ用語だって、かなりの英語が使われています。だって、その言葉自体が他の国にはなかったんですから、当然なのです。英語教室だって、けっこう盛況です。 それにもかかわらずスペイン人たちは、それでもなんとかしてそれに抵抗しようと試みていることも、またたしかなのです。
でも本当の話し、それって日本人にはちょっとメイワク!
だって、“コンピュータ”は「オルデナドール」、“キーボード”は「テクラード」、 “スクリーン”は「パンターヤ」、「ハードディスク」は“ディスコ・ドゥーロ”。 車の部品にいたっては、“ハンドル”が「ボランテ」、“タイヤ”が「ルエーダ」、 “ブレーキ”が「フレーノ」ときちゃうんですから、
ーー ホンマ、そうとう戸惑いマッセ~~!!
英語がキライなのはわかるけど、ヤッパ、こういう用語は世界共通にした方が便利なんじゃないの、スペイン人さん! ちょっと他国に出たら、自分が困るんじゃないの~?
ーー次回は、「オレの責任じゃあないよっ!」をお送りする予定ですーー
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