25) それでも演技してるつもり?
ーーー 目ひんむいて派手な身振りでクッチャベルだけ!? ーーー
人間歳を取ると体中が弱ってきますが、そのなかでも、視力の衰えは悲しいものです。
年々老眼鏡の度は上がっていき、細かいものや近いものはボヤケルだけでなく二重三重
にダブってフラフラ揺らいじゃうのですから、そりゃあもう、ホントに困ったもの。
こうなると大好きなビリヤードも当たらなくなるし、さりとて本を読む気にもなれず、
手近な娯楽は、良くないと思いつつも、安易なテレビに向かうことにもなります。
いえ、テレビだって決して悪くはありません。とくに異国に暮らしている我々にとって
外国語に親しむことは必要不可欠条件です。もはや脳ミソもそうとうイカレてる私ども
には、ともかくも発音に聞き慣れる訓練だけが、残された選択肢なのですから。
そんなわけで、あの垂れ流しの古いハリウッド映画やフランス映画を、スペイン語や
カタラン語の吹き替えで見ているのですが、
それが、なんともガッカリなのです!
せっかくの素晴らしい映画が、スペイン人声優の台詞で台無し。ただただ気持ちのこも
らない声でまくしたてるだけなのです。たしかに一般的にスペイン語は英語の台詞より
長くなるので、俳優の口に合わせようとしゃべり急ぐのはわかります。
でもそこに、気持ちのこもった演技がほとんどないのです。
とくにカタラン語の場合は、彼らの発音がお世辞にも奇麗とは言えません。やたら巻き
舌を使い不快感すら感じてしまいます。いえ、決して全てのカタラン語ではなく、都会
の若者たちやテレビの司会者、そして声優たちの発音の仕方がどうも気に入りません。
スペイン語の場合はいくらかマシですが、でもそこにはやはり、感情移入されたまとも
な演技力が明らかに不足してるんです。 彼らは演技の研究をしてるんでしょうか?
それは、スペイン映画を見るとわかります!
もちろんそこには吹き替えはありません。素の俳優たちの生の台詞と演技がハッキリと
見て取れます。そして、きっとほとんどの日本人がビックリしてしまうことでしょう。
彼らの演技は、
目をひんむいて、大きな身振りでクッチャベルだけ!?
そうなんです、お互い相手の目を食い入るように見つめたまま、同じトーンでガナリタ
テルばかりの喧嘩状態。 そこには一切、間(ま)というものがなく、引きの台詞も、
目線のそらしも皆無・・・、つまり演技に、まったく余裕と深みがないのです。
いや往年の名画の中には自然なセリフ回しも見受けられますが、最近のものは殆どが
こんな感じ。 聞くところによれば、特にテレビドラマは安上がりの南米で制作された
ものが多く、俳優の多くは程度が低いのだとか。 でもその違いはごく僅かです。
それに比べハリウッドなどの映画俳優はなんと素晴らしい演技力を持っていることか。
突然声の調子を上げたり落としたり、目線をわずかにずらしてみる、怒りの台詞にも
かかわらず穏やかなトーンで話してみたりと、豊かな表現力で演じきってくれます。
もちろん日本やアジアの俳優にだって、心を打つ迫真の演技力を見ることはできます。
でもアメリカ人もスペイン人も同じ欧米人、なのにどうしてこんな違うんでしょうか?
スペイン人さん、ストレートにものを考えるのはいいけど、
ちょっとばかり“感情の機微”ってやつを、学んでみちゃ~ドーデッシャロ?
ーー次回は「ジェスチャーなしじゃ話せないの?」をお送りする予定ですーー
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