馬鹿にするコトバは“バカ!”じゃない
みんなアベコベ、日本とスペイン!(12)
(Todo lo contrario, Japón y España)
= 愚弄のコトバ =
街の中を歩いているときも、スペイン人ときたら、まったく頭に来ることばかり。
以前もお話ししたように、平気で人にぶつかってくる、全くよけようとしない、後ろ
から人の靴のかかとを踏む、人の前を横切る、道の真ん中で突然立ち止まる、集団で
しゃべりまくる、急に後ろで大声で携帯をかける、ダレカレかまわずタバコをせがむ、
・・・。
そんな時彼らに投げつけてやりたくなる言葉はというと、やっぱりボクの場合は、
“バカヤロー ッ!”
・・・なんですよね(失礼しました)。
もちろん他にも“ どあほう!”や“とんま!”、“ のうたりん!”、“唐変木!”、
“スットコドッコイ!”と、いくらでもあります。(ますます失礼、それに古すぎ?)
でも何故かこれらは、ほとんどが“頭が悪い!”を意味する言葉です。つまり私たちが
何かにつけてこの言葉を相手に投げつけるのは、日本人にとっては脳みそが正常に働か
ないということは、何にもまして恥ずかしいことであるのかもしれません。
無理もありません。子供のときから受験戦争の中で少しでもカシコク(?)なることを
強要されて生きて来た日本人にとって、「バカ!」は何にもまして、大きなダメージを
与えたり受けたりする、強烈な一撃となることでしょう。
ウチの日本語クラスの唐変木・生徒!
そのスットコドッコイ教師(つまりアタシ)!!
ところがスペインでは“馬鹿!”という言葉はあっても、それはあまり人を馬鹿にする
ものではないようなのです。日本語クラスの生徒に聞いたところでは、もし“馬鹿!”
と言われても「あ、そう!」ぐらいで、とくに愚弄されたとは考えないんだそうです。
(最近わかったことですが、スペイン語で「バーカ」は牛ですが、同時に「デブ」と
いう意味にもなるそうで、やはりかなり怒り出す人もいるそうです、念の為)
でもここでは、人を馬鹿にしたり愚弄したりする時にどんな言葉を使うのでしょうか?
それはなんと、
“Hijo de puta !!”イーホ・デ・プータ!(売春婦の息子)
他にまだまだありますが、ダントツ一位がこのののしり言葉(“売春婦の娘”もある)
なのです。たしか売春婦も職業の一つとして認められ年金まで支給されると聞いていた
ここスペインで、一体なぜこの言葉なのか我々にはかいもく理解できません。
でもテレビのお笑い番組ばかりか、日本映画の吹き替えで「バカヤロ!」などという
言葉は、ほとんどがこの“Hijo de puta !!”に訳されているのです。字幕も同じです。
先日思い切ってあるスペイン人にその意味を尋ねてみると、彼はこう説明したのです。
「それは人の職業を差別するというよりも、避妊もせずに子供を作ってしまった最低な
母親を持つ子供という意味で、その家族中を愚弄するすごくキツイ言葉なんだよね!」
なんだって? じゃあ結局、「バカヤロ!」に近い意味を持ってるの? でもそれなら
なぜ本人にダイレクトに馬鹿と言わないんだ? うーん、やっぱり良くわかりません。
でもこれは、ここスペインに限ったことではないようなのです。
ーー次回は「愚弄のコトバ(第2弾)をお送りする予定ですーー
♣ ♣
あなたのご意見は、以下のメールまでお寄せ下さ~~い!
(掲載可能なお名前も忘れずにネッ!)
《 送り先アドレス→ vivasouy1@mac.com 》
・・・・・ にほんブログ村 に参加しています ・・・・・
こちらもチェックしてみて下さい → http://vivavivasouy.muragon.com
◇
新しいメルマガが発行されました。
タイトルは、
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
『 チガイがわかる・おもしろ日本語入門! 』
▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
日本語はきわめて特殊かつ不思議な言語です。欧米語をはじめとした諸外国語とは、
何から何まで異なっています。これから日本語を学ぼうとする人、日本語を教えようと
考えている人、さらにはこれから外国語を習得したいと思っている人たちのために、
おもしろオカシク日本語の本質や特徴を理解していけるよう工夫してみました。
もちろん無料です!!
ご登録は、以下からどうぞ。
http://www.mag2.com/m/0001673594.html
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
またこれは英語版のブログとなって世界中の人々に読まれ始めています。
日本語の世界を、英語で旅してみませんか?
「 What is Japanese ? 」→ https://vivasouy.blogspot.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇
メルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、本になりました!
もう一つの私のメルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、 “地球の歩き方”の
ダイヤモンド・ビッグ社から出版化され、全国の書店に並べられています。
タイトルは、『熟年夫婦のスペイン行き当たりばったり移住記』。私たち夫婦の無謀な
移住の顛末と信じられないハプニングの数々がアレやコレや、次々登場します。
その後のバルセロナでの生活にもふれています。ぜひ一度目を通してみて下さい。
以下の“地球の歩き方ブログ”でも、私の醜い顔とともに紹介されていますよっ!
http://blog.arukikata.co.jp/guidebook/e_report/2016/01/post_1066.html
★
☆
その他の著書を2冊だけご紹介します!
◎ 『脳みそのほんとうの使い方(How to use your brain ?)《ビギナーズ編》』
(日科技連出版社)〈こちらは一応ビジネスマン向けですが、やさしいです)〉
また姉妹編《マスターズ編》も出てます。書店になかったらお取り寄せください。
◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
〈中高校生向けですが、‘哲学’についても、やさしく解説しています。
書店にはないかもしれません、図書館でお読みください〉
尚、著作権は放棄していません。この文章を引用する場合は必ず発行者へ連絡ください。