38)「ワタシ、もう銭湯や温泉に入れないの?」
= “タトゥー”と“タブー” =
夏になると目立つのがスペイン人(全ヨーロッパ人?)のタトゥアーへ(タトゥー)、つまり入れ墨です。薄着になった男も女もが、腕や首、背中やお腹、そして足までも、そこいら中に黒ずんだ色でさまざまな絵柄やよくわからない文字を彫り込んでいます。
そしてみんな誇らしげに、これ見よがしにその肌をさらけ出して歩いているのです。たしか“バルサ”のメッシも黄金のあの腕や足に何やら描き込んでいたような・・。
でもボクたち日本人は、何故かこう思ってしまいませんか。
「痛い思いして、なぜそんなことするんだ!」
そう、あれを彫り込む時の痛さは半端じゃないそうで、その上費用もビックリする程高いのだとか。それでもここバルセロナには入れ墨掘りの店がそこいら中にあって、どこも沢山の客が順番待ちしてるようなのです。
でも理由は他にもあります。日本人にとって身体は、両親から、神様からの授かり物。そこに傷を付けることは罪だ、許されない、と感じているからではないでしょうか。
(それはある種宗教的で、その呪縛を逃れたのはヤクザさんだけかもしれません)
ところがスペイン人たちは、全くそうは考えないのです。
ある日、ウチの日本語クラスの女の子が、「センセ、見て見て、私のタトゥアーへ!」と言い出しました。「何だって?」と答える間もなく彼女はサッサとTシャツを脱ぎ、うら若き娘の肌を惜しげもなくさらけ出したのでありました。(これ、ヤクトク?)
するとびっくり、彼女の背中には一面の入れ墨(古語?)が!!
かなり鮮やかな色彩の桜の花がちりばめられた一角には、あの富士山の姿がくっきりと浮かび上がっているではありませんか。 なかなかの力作! でも痛かっただろうに! そしてワタシに、こう質問して来たのです。
「センセ、ワタシ銭湯や温泉には入れないでしょ?」
日本語を学ぶ生徒はみんな、いつか日本に行きたいとの強い想いがあります。そして、いちど銭湯や温泉に入りたいとも願っているのです。でも悲しそうに彼女は、インターネットで調べると入れ墨は日本ではタブーで、温泉などには入れないと書かれていた、とつぶやいたのでした。
ついでに、少しばかり彼女に質問してみました。
「あなたたちは、自分の身体のことをどう思うの?」
「自分の身体は自分が自由に使えるもの。絵を描く自由なキャンバスよ!」
「キリスト教ではタトゥアーへ(入れ墨)は禁止されてないの?」
「昔はそうかも、でも今は誰もそんなこと考えてないわ、日本人てフシギ!」
では日本のみなさんにうかがいます。
「いま日本に、入れ墨の人が入れる銭湯や温泉はあるのでしょうか?」
彼女のためにも、ぜひ教えてくださいませ。
よろしくお願いします。
ーー次回は、「アメリカなんか大キライ!」をお送りする予定ですーー
♣ ♣
あなたのご意見は、以下のメールまでお寄せ下さ~~い!
(掲載可能なお名前も忘れずにネッ!)
《 送り先アドレス→ vivasouy1@mac.com 》
・・・・・ にほんブログ村 に参加しています ・・・・・
こちらもチェックしてみて下さい → http://vivavivasouy.muragon.com
◇
新しいメルマガが発行されました。
タイトルは、
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
『 チガイがわかる・おもしろ日本語入門! 』
▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
日本語はきわめて特殊かつ不思議な言語です。欧米語をはじめとした諸外国語とは、
何から何まで異なっています。これから日本語を学ぼうとする人、日本語を教えようと
考えている人、さらにはこれから外国語を習得したいと思っている人たちのために、
おもしろオカシク日本語の本質や特徴を理解していけるよう工夫してみました。
もちろん無料です!!
ご登録は、以下からどうぞ。
http://www.mag2.com/m/0001673594.html
◇
メルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、本になりました!
もう一つの私のメルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、 “地球の歩き方”の
ダイヤモンド・ビッグ社から出版化され、今年から全国の書店に並べられています。
タイトルは、『熟年夫婦のスペイン行き当たりばったり移住記』。私たち夫婦の無謀な
移住の顛末と信じられないハプニングの数々がアレやコレや、次々登場します。
その後のバルセロナでの生活にもふれています。ぜひ一度目を通してみて下さい。
以下の“地球の歩き方ブログ”でも、私の醜い顔とともに紹介されていますよっ!
http://blog.arukikata.co.jp/guidebook/e_report/2016/01/post_1066.html
★
☆
その他の著書を2冊だけご紹介します!
◎ 『脳みそのほんとうの使い方(How to use your brain ?)《ビギナーズ編》』
(日科技連出版社)〈こちらは一応ビジネスマン向けですが、やさしいです)〉
また姉妹編《マスターズ編》も出てます。書店になかったらお取り寄せください。
◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
〈中高校生向けですが、‘哲学’についても、やさしく解説しています。
書店にはないかもしれません、図書館でお読みください〉
尚、著作権は放棄していません。この文章を引用する場合は必ず発行者へ連絡ください。