31)ひとのものは、オレのもの?
ーーーー スペインは、いい意味の共産主義国? ーーーー
バルセロナの街を歩いていて、向こうからアンちゃんが近づいて来たら、要注意です!
「おい、タバコ持ってないかい?」
たいていはこう尋ねてくるからです。普通なら「ノー!」と言えばそれでOKですが、
こっちがタバコをくわえているときは、そうはいきません。そんな時は、こう言うこと
にしています。
「ないね、これが最後のタバコなんだ!」
ほとんどはアンちゃんですが、ときには可愛いネエちゃんだって可愛くないオッちゃん
だって、はたまた年端も行かない少年までが、いつも人のタバコを狙っているのです。
もちろん「ちょっと火を貸してくれ!」は日常茶飯事、“貸して”ならまだ可愛いけど
スペイン語で“くれ!”と言われると、なぜか腹が立つのは日本人だからでしょうか。
しかし不思議なことに、殆どのスペイン人がどんなに道を急いでいても、立ち止まって
火をつけてあげているのです。 なんて心の広い人たちなんでしょう!?
どうも驚くことに、ここにはヒト様の所有物をまるで自分のものであるように考える、
社会的な風潮があるのかもしれません。 以下いくつかの例を挙げてみましょう。
その1、駅の切符売り場にて
だいぶ前、バルセロナの中心サンツ駅で、列車の切符を買おうとした時のことです。
見ると、窓口のお金の受け渡し皿に、かなりのコインが残っているじゃありませんか。
そこで、「あのー、このお金はどなたのものですか?」と聞くと、
「あれ、それはお客さんのじゃないの?」と、駅員。
「いいえ、違いますよ」と答えると、
「え、ホント? やった、今日はコーヒーが飲めるぞ!」と、
その駅員は、5ユーロ近くのコインを、嬉しそうにポッケにしまっちゃったのでした。
もしその直後に、置き忘れた客が探しに来たら、一体どう対処したのでしょうか?
その2、満員のバスの中で
ついこの間スペイン人の女の子が、バスの中でアイフォンを盗まれました。いや実際は
乗車中に落としたのです。だからよーく探せば見つかったかもしれません。でも彼女は
満員ということもありますが、ちょっと探しただけですぐにあきらめてしまいました。
「だって、落としものが戻ってくるナンテ、あり得ないもん!」
と、考えるからです。なんと街にはブラックマーケットがあり、そこに持っていけば、
400ユーロほどで売れるのだそうです。 そりゃあ、やっぱりむずかしいかもネ!
クラスの生徒が言うには、殆どの人の考え方は“オレのものはオレのもの、人のものは
オレのもの”なんだとか。だから日本に行った時、テーブル上に置きっぱなしにされた
携帯を見て、心底ビックリしたそうです。 どうして誰も取らないのダッ???
そんな日本人が外国でノホホンと観光していて、スリやひったくりの被害にあうのも、
無理からぬこと。バルセロナの地下鉄では一日何回も「スリが狙っています。ご自分の
持ち物に十分注意して下さい」との日本語アナウンスも流されている程ですから。
そういうワタシも、数ヶ月前、工事関係者と言われて、スペイン人男性を我が家に入れ
何から何まで入ったバッグを持っていかれちゃったんだから、まだまだ甘いのだ!!
その3、お金を拾わなかった妻に、旦那が言った!!
スペイン人と結婚し永いことバルセロナに住んでいる日本人女性が、ある日、銀行の
キャッシュコーナーの下に、3~400ユーロの札束が落ちているのを見つけました。
日本円にすると5万円位、かなりの大金です。
彼女はじっと札束を見つめどうしようかと考え込みましたが、やっぱり持ち去ることは
できないと、後ろ髪をひかれる思いで(笑)、その場を立ち去ったのでありました。
家に帰りそのことを告げると、スペイン人のご主人は開口一番!、
「なんだってー、オイ、そのお札に名前でも書いてあったのか?」
と、彼女に問いただしたのだとか。じつは彼は、スペイン人の中ではかなりの良識派。
その旦那が、いわば「なんで持ってこなかった?」と語った言葉に、ほんとうに唖然と
したと話していました。 日本人って、そういうこと、できないんだヨネ~!
アレレ、みんなでモノやお金を共有する?、
スペインは、いい意味の共産主義国?・・、てなワケないよなあ!
ーー次回は、「調子のよさなら、天下一?」をお送りする予定ですーー
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