28)キョーイク?、そんなもんウチにはないもんネ!
= ウチの子は王様だ~い! =
10年ほど前、我が家の上の階に、スペイン人の新婚夫婦が越してきました。 しかし、
二人の歩き方が「ダンドン、ダンドン!」とあまりにうるさく天井に響くのでもう少し
ソフトに歩けないかとお願いしたら、かなり恐縮して「わかりました!」とのこと。
ところが2、3日もするとすぐに元の木阿弥、音は前よりも大きくなり、あっちへ行っ
てはこっちへ戻りを何百回、2時間以上も続けるのです。一体何をしてるのか、見当も
つきませんが、それにしても、これにはホント参りました!
そのうちこの夫婦に男の子が生まれました。一年もすると今度はこの子がまるで漫画の
アラレちゃんみたいに、ダダダダダーッ!と、部屋中を走り回るようになったのです。
その音は以前の数倍も大きく、私たちは毎日頭が痛くなり、安眠することもできなく
なりました。
これはあまりにひどすぎる!! と、
私は再び上階に出向き、少し配慮してもらえないかと頼んだのです。すると彼らは、
「子供なんだから、仕方ないでしょ?」と言います。でもそこを一つ一つ教えていくの
が教育じゃありませんか?、と問い返すと、なんと父親はこう答えたのでした。
「キョーイク?、ウチにはそんなもんないモン!」
?? これにはもう、二の句が継げませんでした。
ところで前にもお話ししたように、私は最近ビリヤードにはまっています。なんたって
時間制限もなくタダで遊べるバールがあるなんて、バルセロナはスンバラシイ街です!
ある日、日本人の友達と二人でゲームをしていると、向こうでしゃべりまくっている
スペイン人の3歳位の男の子が興味津々で近づくと、なんとビリヤード台に肘をついて
見始めました。「危ないから離れて見てね!」と言っても全く言うことを聞きません。
すると私の番が回って来ました。理想的な残り玉じゃないですか! これはイーゾ!!
しかし丁度、子供がいる所から衝かなくてはなりません。でも全くどいてくれません。
しかたなくキューを構えたまま、脇腹で子供の身体を少しずつ横に押して行きました。
すると、あっちから母親が血相変えて飛んで来て、こう言ったのです。
「ウチの子に何するのよっ!!」
それを見たプレイ仲間の日本人が、苦虫を嚙みつぶしたように、つぶやきました。
「ここは、子供が王様だからなあ~~~!」
話によれば、先日彼が自慢のアンティーク車をある駐車場に停めていたとき、一人の
男の子がやって来ました。珍しげに見ているうちに、ウインドウのガラスに触ったり、
車体を叩いたり、ついにはドアーの下の足踏み台に乗っかって、飛び跳ね始めました。
やめてくれるように頼んだものの、やはり全く聞き入れません。途方に暮れた彼が
向こうを見ると、幸運にも、丁度そこには警察官がいるではありませんか。
そこでポリシーア(警官)に声を掛けると、すぐにやって来てくれ、子供の手を取って
車から引き離そうとした、その途端に!、母親が血相変えて飛んで来たかと思うと、
やはり、「あんた、ウチの子に何するのよっ!!」と叫んだそうです。
そればかりか警官に対して「裁判所にうったえてやる!」と噛み付いたというのです。
なるほど、ここでは子供が一番偉く、まるで王様そのもの!! 子供たちのすることは
全てオーケー、誰も(ケイサツさえも)それを遮ることはできない! その王様たちに
キョーイクするなんてモッテノホカ、とでもいうことなのでしょーか?
こりゃあどう考えても、ワカンナイよ!!
ーー次回は、「これぞ楽しきお子ちゃま社会!」をお送りする予定ですーー
♣ ♣
あなたのご意見は、以下のメールまでお寄せ下さ~~い!
(掲載可能なお名前も忘れずにネッ!)
《 送り先アドレス→ vivasouy1@mac.com 》
・・・・・ にほんブログ村 に参加しています ・・・・・
こちらもチェックしてみて下さい → http://vivavivasouy.muragon.com
◇
新しいブログが始まっています。
▷▶︎▷チガイがわかる・おもしろ日本語入門▷▶︎▷
第三章 日本語、コノ表現 & その極意!!
☆ またこのメルマガが同時進行で英語版となり、世界中の人に読まれています。
日本語の世界を、英語で旅してみませんか?
Blogger Magazin
“NIHONGO”, What a mysterious language !→ https://vivasouy.blogspot.com
◇
メルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、本になりました!
もう一つの私のメルマガ『どうせ人生・ケセラセラ!』が、 “地球の歩き方”の
ダイヤモンド・ビッグ社から出版化され、今年から全国の書店に並べられています。
タイトルは、『熟年夫婦のスペイン行き当たりばったり移住記』。私たち夫婦の無謀な
移住の顛末と信じられないハプニングの数々がアレやコレや、次々登場します。
その後のバルセロナでの生活にもふれています。ぜひ一度目を通してみて下さい。
以下の“地球の歩き方ブログ”でも、私の醜い顔とともに紹介されていますよっ!
http://blog.arukikata.co.jp/guidebook/e_report/2016/01/post_1066.html
★
☆
その他の著書を2冊だけご紹介します!
◎ 『脳みそのほんとうの使い方(How to use your brain ?)《ビギナーズ編》』
(日科技連出版社)〈こちらは一応ビジネスマン向けですが、やさしいです)〉
また姉妹編《マスターズ編》も出てます。書店になかったらお取り寄せください。
◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
〈中高校生向けですが、‘哲学’についても、やさしく解説しています。
書店にはないかもしれません、図書館でお読みください〉
尚、著作権は放棄していません。この文章を引用する場合は必ず発行者へ連絡ください。