“アリガトー”はどっちがいう言葉?
= 感謝のココロ =
さて、なんといっても、大ユーラシア大陸の東の端“日本”と、西の端“スペイン”
その習慣や考え方に大きな違いがあるのは当然なのかもしれません。でもその一つ一つ
には、毎日本当にビックリさせられます。道の歩き方、車の運転の仕方、店員の応対、
約束や決まり事とのつきあい方、感謝と謝罪のココロ、スポーツに皇室、毎日の食生活
から結婚生活、さらには勉強や学び方に至るまで・・・
・・・、何から何までアベコベなのです!
ここでは毎回それらを一つずつ取り上げて、楽しく、お話ししていきたいと思います。
けれどもその中には、ここスペインに限ったことではなく、ヨーロッパ全体、あるいは
欧米社会や外国人社会に共通のものも、かなり含まれているかもしれません。その点に
ついては、私がここスペインのバルセロナでの生活の中で感じたこととしてお許しいた
だければ幸いです。というのも私自身他のヨーロッパ諸国や世界各国で生活することは
不可能ですし、残念ながらそのような知識も持ち合わせていないものですから・・・。
▽
ーーー “アリガトー”はどっちがいう言葉? ーーー
今、日本には“物乞い”の人っていましたっけ? そう、道端に座り込んで哀れみを
乞い、手を差し出したりしている人たちです。 かなり昔(古い!)は確かにいたの
ですが、今でもいたのか、もういないのか、すっかり忘れてしまいました。
でも、ここバルセロナにはまだまだ沢山います。たいていはアラブ系や中南米系の人達
ですが、最近は北欧系やスペイン人と思われる若者まで、じつに多種多様です。
足や腕を失った人、子供や赤ん坊を抱きかかえた女性、「ただ今失業中」の看板を立て
かけた中年者、そしてなぜか若くて元気そうな若者たちまでが、「アユーダメー!!
(お恵みを!)」と通行人に手を差し出したり、ひざ元にお金を投げ込む箱を置いて、
物乞いをしているのです。
でも彼らにお金をあげる人なんているの?
ところが、それがいるんです! けっこうな数の人たちが、財布から十円、二十円、
ときには何百円も(勿論ユーロ)出して手のひらにのせたり箱に入れてあげるのです。
でももっとビックリするのは、恵んでもらった彼らがほとんど「ありがとう!」という
言葉を口にしないことです。いやもっとはっきりいえば、当然といったような顔でいる
のです。 日本の物乞いなら、きっと感謝の気持ちを言葉で伝えるはずですよね?
だいぶ前のこと、パン屋の前に座っていた子供を抱えた女性に、ひとりのスペイン人の
おばさんが近づいてかなりのお金を渡した後、「ちょっと待っててね!」と言い残して
パン屋に入っていきました。しばらくして彼女は3~4本のフランスパンを抱えて出て
きたかと思うと、それを全て物乞い女性に手渡したのです。
ビックリしたのはその後です。おばさんは二言三言彼女に話しかけた後、何度もおじぎ
をして立ち上がり、振り返っては手を振りながら嬉しそうに帰っていったのでした。
一体これはどういうことなのか、知り合いのスペイン人に聞いてみると……、
「きっと人助けという素晴らしい行為をさせてもらえたことに感謝しているんだよ!」
と言うではありませんか。なるほど、考え方が全く逆、ボランティア精神ってそういう
ものかもしれない! そういえば日本にもこんなコトワザがありましたよね、
「情けは人の為ならず」
人に情けをかけておけば、それはいつか自分に返ってくる……、彼らはもしかすると
そんな風に考えているのかもしれません。 だからあのパンを買ってあげたおばさんは、あんなにも嬉しそうだったのでしょうか?
でも、私にはわかりません。
物乞いの人が「ありがとう!」と言わないのは何故なんでしょう?
あなたに人助けという素晴らしい行為をさせてあげたんだ。
感謝こそされても、私が「ありがとう!」なんて言う義務はさらさらない!
……、と言うことなんでしょうか???
ここでは、地下鉄の階段やバスの乗降口に乳母車がさしかかると、必ず誰かが手を差し
伸べて昇り降りを手伝います。はたで見ているだけでもサワヤカナ気持ちになります。
でもその時も、乳母車の人からほとんどお礼の言葉は聞かれません。それは当たり前と
いった顔で、サッサと乳母車を押しつづけ去って行ってしまうのです。
あのね、助けられたスペイン人さん!
あなたの気持ちもわかるような気もするけど、
「ありがとう!」と言うと、自分もとってもスガスガシイ気持ちになれるんだよっ!!
次回は「あやまるもんか !」を、お送りする予定です。
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