= に 日 晴れた の 畑 りんご!? =
第2弾 みんなアベコベ、日本とスペイン!(3)
(Todo lo contrario, Japón y España)
= コトバ も 逆さま ?(続編) =
なんといっても、大ユーラシア大陸の東の端“日本”と、西の端“スペイン”
その習慣や考え方に大きな違いがあるのは当然なのかもしれません。でもその一つ一つ
には、毎日本当にビックリさせられます。道の歩き方、車の運転の仕方、店員の応対、
約束や決まり事とのつきあい方、感謝と謝罪のココロ、スポーツに皇室、毎日の食生活
から結婚生活、さらには勉強や学び方に至るまで・・・
・・・、何から何までアベコベなのです!
ここでは毎回それらを一つずつ取り上げて、楽しく、お話ししていきたいと思います。
けれどもその中には、ここスペインに限ったことではなく、ヨーロッパ全体、あるいは
欧米社会や外国人社会に共通のものも、かなり含まれているかもしれません。その点に
ついては、私がここスペインのバルセロナでの生活の中で感じたこととしてお許しいた
だければ幸いです。
というのも私自身、他のヨーロッパ諸国や世界各国で生活することは不可能ですし、
また残念ながらそのような知識もほとんど持ち合わせていないものですから・・・。
♤ ♤
シリーズ第2回、「コトバも逆さま?」
♛
ーーー に 日 晴れた の 畑 りんご!? ーーー
前回は逆さまの名詞や動詞についてご紹介しましたが、今日は文章全体についてです。
もちろん一般的に欧米言語と日本語では、文章内の単語の順序が反対になることが多い
のですが、とくにスペイン語やイタリア語、フランス語などラテン系の言語は、形容詞
の使い方が英語と逆転している場合が多いので、サカサマ化はなおさら顕著です。
たとえば“White House”(ホワイト・ハウス)は日本語では「白い家」で
順序はどちらもまったく同じ。でもスペイン語では、“casa blanca”と、
「家白い」になってしまいますし、「きれいな花」は「花きれいな」と表現されます。
(でもテレビで「Casa Blanca」とアナウンスされる時は、アメリカのホワ
イト・ハウスなのかモロッコの都市なのか、区別がつきません。「ホワイト・ハウス」
ぐらい、英語を使ってくれてもいいんじゃないの、スペイン人さん!?)
そんなわけで、主語(基本的に最初ですよね?)を除いては、日本語とスペイン語の
単語の配置が、何から何まで正反対になってしまうケースはかなり多いのです。
先日も日本語クラスで童謡を教えていてびっくりしました!
『りんごのひとりごと』
わたし は まっかな りんご です。
(わたし です りんご まっかな)
おくに は さ~むい きた の くに。
(おくに です くに の きた さ~むい)
りんご ばたけ の はれた ひ に、
(に ひ はれた の はたけ りんご)
はこ に つめられ きしゃぽっぽ~。
(きしゃぽっぽ~ つめられ に はこ)
ま~ち の いちば に つきました。
(つきました に いちば の まち)
りんご りんご りんご、り~んご かわいい ひとりごと。
なんとも懐かしいですね~! でも下のかっこ内のスペイン語と比べてみてください。
ほとんどが反対、とくに「リンゴ畑の晴れた日に、箱に詰められ汽車ぽっぽ~。町の
市場に着きました」などでは、完璧にサカサマになっているではありませんか!!
つまり、もしも日本語の単語の順序が、主語+1+2+3+4+5 となっていたら、
スペイン語では、主語+5+4+3+2+1 となり、もし主語が省略されると、
各単語の位置は、ほとんど真反対に配置されてしまいます。
これはゆゆしき事態です。スペイン語をはじめとしたラテン系言語圏の人々は、毎日、
我々日本人とまったく反対に言葉をイメージし、そしてそれを口に出しているのです。
な~るほど、日本語クラスの生徒たちが、会話になると、顔をくちゃくちゃに歪めたり
真っ赤になったりして苦しんでいるのも、当然といえば当然です。 かわいそうに!!
でも私たち日本人だっておなじこと。欧米語に親しむのは、まさに難行苦行ですよね?
それにしても一体どうしてこんなことが起こってしまったのでしょうか?
何でも知っていて、カタラン語、スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語、トルコ語
ヒンズー語、中国語、日本語・・・を自由に使いこなすクラスの天才生徒が、ある日、
こんなふうに話してくれました。
「きっとそれは、人類の誕生したアフリカで始まったのでしょう。彼らの中に2つの
グループが発生しました。 一つのグループの人たちは、“俺 ライオン 食った!”
と話し、もう一つのグループの人たちは、“俺 食った ライオン!”と話しました。
この食い違いは、その語の言語の発達につれて必然的にますます広がり、形容詞や
前置詞などの位置までも逆転していかざるを得なかった、んじゃないでしょうか~?」
ハハ~ン、たしかにその可能性は高いかもしれないな~!
彼らがユーラシア大陸の東の端“日本”と、西の端“スペイン”に辿り着いた時には、
最終的に言葉の順序が反対になっていたとしても不思議ではありません。 でも、彼が
学んだトルコ語は、日本語と同じく動詞が最後に来るのだそうです。 トルコといえば
両国の中間、いったい何故???
ウ~ン、疑問はふくらむばかりです。でももし、人類の言語の変遷がこの目でこの耳で
見たり聞いたりできたら、どんなに楽しいことでしょう! 誰が、いつ、どうやって、
新しい言葉を生み出し、またその順序を変えていったのか、ぜひ見てみたいなー!!
次回も「コトバも逆さま?」の続々編を、お送りする予定です。
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